忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

なんでもかんでもアンチって言うのやめろ。マジで。

 

    友達からさっきLINEがきた。なんかやけになんでもかんでも悪態つくから、お手本みたいにやさぐれてるなって思ってたんだ。最近起きた良くなかったことのあれこれに関しての愚痴はまあわかるんだけど、しまいには全然関係ないことにまで悪態つき始めて。

    俺とその子は同じアーティストが好きで知り合った。でも今はお互いそのアーティストからは少し離れてて、正直なところファンと言うほどの熱量は既になく冷めてしまっていた。で、その子がそのアーティストのことをめちゃくちゃに悪態突き出した。だから俺は言ったんだ。仮にも昔ファンだったとは思えんくらいの言い草だな、もはやアンチだろって。そして言ってから思った。

 

   いや、それってアンチか?

 

    よーく考えてから思ったんだけど、それってむしろひとつの意見なんじゃないだろうか。否定的な意見だから傍からはアンチに見えるだけで。もしかして昔好きだったからこそ、今こうして言ってるんじゃないだろうか。思い返せば、俺も好きだから、好きなアーティストとかバンドに対して否定的な意見を言った憶えがある。

 

    俺が好きなサブカルっていうジャンルの音楽は、名前に「サブ」がつくくらいだから、狭い領域だ。そんな狭い領域で好きになったバンドも、どこかで人気に火がつけばメジャーへと行ってしまう。俺はあのバンドの昼ドラみてえな汚いラブソング歌ったりするリアルさが好きだったのに、メジャーに行ったら大衆にウケるように少女漫画みてえな綺麗なラブソング歌ったりされる。あんないいバンドが人気じゃないなんておかしいってずっと思ってたけど、こんな形でみんなに知って欲しいなんて思わなかった。むしろ、みんなが今見てるそのバンドはもう今まで俺が好きだった姿と全然別物で、こんな形で知られるくらいなら売れないで欲しかった。だから俺は言う。メジャーに行って大衆ウケ意識するようになってから良さが消えた、って。

 

    最近はなんでもかんでも、バンドのやることなすことに全部脳死で肯定するような盲目なファンが多いせいで、ちゃんとした意見でも否定的だったらすぐにそれはアンチということにされる。むしろなんでもかんでも肯定してる方がバンドを殺してることにまだ気付かないのか。

    バンドが理想の音楽やってそれで食ってけるならいいよ。ただ、そうじゃないときは、どうしたらもっとたくさんの人に聞いてもらえるかってバンドがいろいろ試行錯誤して、それをきちんと評価するのがファンの役目だ。自論だけど、音楽はバンドとファンが協力し合って生み出してくもんだ。

    それをなんでもかんでも肯定してたら、バンドが方向性見失ったり、道間違えてることに気づかなかったりする。ただでさえ食ってくのが難しい音楽業界で、いい歳まで音楽の夢追ってそれで叶わなかったやつはもう実家継ぐかフリーターしか残されてねえぞ。バンドのことほんとに思うならきちんと評価しろ。バンドを殺すな。マジで。

    否定的な意見も肯定的な意見もちゃんとバンドに伝わるようにわかりやすくリアクションをとれ。ちゃんとバンドのこと思って伝えた否定的な意見なら、バンド側も傷ついたりせずに真摯に受け止めるから。だから、盲目にならないでくれ。バンドのこと思ってありのままのリアクションを伝えろ。曲があんまりだったらどこがどうあんまりかちゃんと言え。否定的な意見をなんでもかんでもアンチの一言で済ますな。

 

  今後の音楽業界がいいリスナーで溢れますように。