忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

How to 洗脳~洗脳の手引き~

 

    例えば、あなたの友人が気まぐれにいい部分を見せました。2人でコンビニに寄ってあなたはジュースを、友人はピノを買いました。コンビニから出るなり、ピノを開ける友人。1つを口に運ぶと、続け様にもう1つとってそれをあなたの方に向けて言います。

 

    「1個いる?」

 

    あなたは少し面食らいながら「ありがとう」、そう言ってピノを食べる。面食らったのは、その友人がそんな優しさを見せたのが初めてだったから。その友人に会うのは久しぶりで、しばらく会わないうちに変わったのだろうか?だとしたら、いい変化だ。これからもそういう優しさを持ち続けて欲しい。でもこれがもし気まぐれだったら。それは少し残念だ。

 

    じゃあ洗脳しよう。

 

    もしかしたら気まぐれっていう線もまだあるから、いっそその友人をいつもピノ1個くれる人間に書き換えてしまおう。方法は至って簡単。こう言うだけ。

 

    「6個しかないのに1つくれるなんて優しいね。」

 

    するとそいつは、ピノくれたことが気まぐれだったとしたら、それを褒めてもらえて嬉しく思うだろう。ピノ1個あげるだけでこんなに褒められるのか、と感じた友人はそれ以降あなたの前でピノを食べるとき、「1個いる?」と聞くようになります。その度にあなたは彼のその優しさを讃えましょう。そしてしばらくそれが続くと留めの一言。

 

    「お前はいつもピノを1つくれるよな。ありがとう。」

 

    はい、これで洗脳完了。それからはそいつ、褒めなくても必ずピノを1個くれます。もうその友人は勝手に自分のことをあなたに必ずピノを1つあげるやつと認識した。言葉のパワーって怖いよな。簡単に人を変えてしまうんだ。みんなも言葉の持つパワーに自分を変えられた経験はありませんか?俺はあります。

    大体いつも、「あの子気になるんだよな」って誰かに言ったら、実際は別に気になってなかったのにそれ以来気になってしまうし、まだ好きじゃないのに「好きかもしんない」って言うと、知らぬ間に好きになってる。それで付き合った人とは、別れてから俺は本当にあの子が好きだったのだろうか、と首を傾げる。これ、完全に自分が言った言葉に洗脳されてる。

 

    洗脳なんて言っても、たかがこれくらいのことかよ。そう思う人もいるでしょう。好きなあの子を思うように操りたかったですか?嫌いなあいつをめちゃくちゃにしてやりたかったですか?でも、ごめんなさい。洗脳なんて実際はこんなものなんです。そもそも、こんなこと書いてる俺が言うのもなんですけど、洗脳なんてしたらダメなんですよ。だから絶対、「困ってるときにお前はいつも俺を助けてくれるよな。」なんて言って、そいつを助けてくれるやつに洗脳して、困ったふりして金を借りるなんてしたらダメですからね。念押しもしたので、今回はこの辺りにしておきます。次回、How to 消息の絶ち方です。サヨナラ。