忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

思い出のタンス

 

    好きなモデルとかアイドルが巻頭グラビアに掲載されてる号の雑誌だったり、写真集とかが収まるべき所に収まらず、衣類、主に靴下とかをまとめてる棚の空いたスペースにとりあえず避難させている。しかし、あるべきところにないというのはやっぱり違和感だし、前々から片付けねばなあとは思いながらも面倒くさくて見て見ぬふりをしていたが、そろそろそんなこともしていられないので、重い腰を上げて棚の整理をすることにした。

    今現在疎開している雑誌類が要するスペース、そしてこれから増えていくだろう分の余分なスペースを確保しなければならない。そうするためにとにかく物を一度全部出す。いるものいらないものに仕分けして、いるものでも関係ないものは棚じゃなくて他の収納スペースにぶち込む。棚は趣味に関するもの(漫画、雑誌、写真集、CDとか)だけを置く場所だから。するとまあいらないものとか記憶にないものが出てくること。

    

    まず最初に出てきたのは昔誕生日にもらったメッセージが書かれたお菓子の箱。貰ったことはもちろん覚えてたけど、箱に書かれたメッセージとかを見てるとその時の会話とか状況とかそういうのまで鮮明に思い出す。「仕方ないからあげるわ」なんて笑いながら冗談交じりに言う割に、ちゃんと俺の誕生日を覚えてくれてたことに嬉しく思った時の心温まるあの感じとかまで蘇る。

    その他にも子供の頃サービスエリアで親に死ぬほどねだって買ってもらった金の龍が巻きついた剣のキーホルダーとか、ノリで買ったカードゲームのパックのレアカードとかも出てくる。そしてそれら全てに付随する思い出とか記憶が溢れかえってくる。

 

    昔の出来事が思い出せないとき、よく「忘れた」なんて言葉で表現するけれど、きっかけさえあれば事細かに全て思い出すことができるみたいだ。もしかすると、人間は遠い昔のことを忘れたわけじゃなくて今俺がタンスの中に片付けたことをどこに片付けたかわからなくなったようにに、人間の記憶の構造がちょうどタンスのようになっているとするならば、閉まってしまった思い出とか記憶をどこに閉まったかわからなくなっただけで別に忘れてたしまったわけではないのかもしれない。

 

    なんてことを金の龍が巻きついた剣のキーホルダーを見ながら考えていると、知らぬ間に時間が結構経っていて、片付けは結局明日に引き伸ばしにしなければならなそうだ。

 

    明日には片付け終わるかなあ。そもそも明日にまたやろうと思えるかなあ。

 

    頑張れよ、明日の俺。