無題

タイトルとか考えるのが恥ずかしい

性別なんてない世界なら

 

    大学生活も残すこと半分もないってなったあたりからみんなが言うんだよ。

 

    「大学って思ったより出会いがない。」

 

    ドラマ、或いは漫画のようなキャンパスライフを夢見ていたかもしれない。俺もそうだった。高校生の頃は大学ってここよりもっと楽しい場所だろうと信じていた。友に恵まれ、出会いに溢れ楽しいだけの4年間を過ごすのだろうと。

    しかし違った。大学は自分から行動すれば高校生の俺が思っていたような楽しいものにできるけど、動かなければ多分最も楽しくない場所になる。友達?できない。出会い?ない。4年で卒業?できない。

    このまま就職してしまえば更に出会いが無くなる、さすれば俺はこの先ずっと彼女ができない?そういう危機感を本能的に感じるのは大学3年生4年生あたりの頃。

 

    時刻は21時、とある繁華街の飲み屋。いつもお決まりの顔ぶれで酒を酌み交わす男子大学生3人。とうとうあいつも彼女できたらしいぞとか、隣の席のあの子可愛いよねとかお決まりのルーティントーク。生産性は皆無。育まれるのは友情。残るのは思い出だが、楽しいが同時に虚しくもある思い出。飲みの金を払っているところを考えれば、バイトでもして金を稼いでる方が有意義なのかもしれない。薄々感づいてはいるが、それをかき消すように酒を飲む。アルコールを巡らす。思考を鈍らせる。いつの間にか隣の席の可愛い子が酔い潰れて連れの男に抱きついてるのを横目に、1人がぼやく。

 

    「ナンパしにいかね?」

 

    アルコールは思考を鈍らせるが、一周回ると見落としていた答えに気づかせる。動かなければ得るものはない。他の2人も普段なら、俺たちなんかじゃ無理だろ、と言うところではあるが、酒は気も強くする。行くか、と2人は声を揃えて返す。こういう過程を踏んで、男、それも大学生活折り返しの奴らが揃う飲みの席では最終的にこういう結末を迎える。

 

    少し俺の話をするんだけど、俺は性欲とか色欲とかがあるにはあるけどどうやら一般的にはそれが薄いようで。正直男だけでルーティントークしながら酒を酌み交わして笑ったりしてるのも十分に楽しい。それを知りもしない女を捕まえに行って、そんな奴に俺の友人達がガツガツしてるのを見るのはあまり楽しくない。友達をその知りもしない女に取られた気分になる。

    昔してたバイトに1人可愛い子がいたんだけど、じゃあバイトの面子で飲み会しようってなった時に、男のみんながみんなその子に絡んでいて取り残された他の女の子がつまんなそうにしてるのが好きじゃなかった。バイトの飲み会だからバイトみんなで楽しみたいのに、一部だけで楽しんでいるようで、それじゃお前らだけで飲み会してろよなんていう気持ち。

    クリープハイプの『エロ』っていう曲にこんな歌詞がある。

だってだってだってそれなら

どうせ最後はそうなるんだから

すぐ出来ることをしよう もうアレしかないし

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    アレって言うのはSEXのこと。この歌詞は実際本当のことで、結局男女が揃えば最後にはそうなる。俺はそういうのがとても嫌いで。未来が分かると楽しくないじゃないか。最後にはそうなるのわかってるのに、だんだん座る距離詰めたりとか、彼氏の有無を聞いたりとかの駆け引きが馬鹿馬鹿しくて。なので俺は男だけでいる時に、そこにポンっと1人女の子が入ってきて雰囲気が変わるあの感じとかがとても嫌い。スマブラでステージの端っこから銃連射してくるフォックスくらい嫌い。

    でも男女が交じればそうなるのは自然の摂理で、ガツガツいく男も焦らす女も誰も悪くない。悪いのは自然の摂理に反している俺だ。ところで自然の摂理に反しているってそれは生物として大丈夫なのだろうか?多分大丈夫じゃないよな。殺してくれ。

 

    こんなのは絵空事なんだけど、例えばこの世界に性別というものがなければ、と考えてしまう。新しい人間はどこからともなくいきなり現れて、そして死ぬときはいきなりいなくなる。そんな世界なら、今世界で問題視されてるLGBT問題とかもなかったんじゃないだろうか。そんな世界に生まれたかったなあ。本当に絵空事なんだけどね。そんな世界は今の世界と比べて得るものよりも失うものの方が多いだろうし。俺が努力しよう。最後にはそうなるってわかってても行う駆け引きとかの馬鹿馬鹿しさを楽しむ努力を。男だけで繰り広げる不毛な飲み会を楽しめるんだし、きっと出来るはずだ。とりあえず誰か、週末飲もうよ。そんでナンパしに行こう。