タバコやめたとやめているの差って?
禁煙中だ。昨年の3月末の事故以来と考えたら、もう既に1年と2ヶ月ほど禁煙していることになる。
事故で暫く昏睡状態になって、目が覚めて車椅子ででも自ら動けるようになった頃には最早タバコ吸いたいなんて気持ちは消えていた。
以前も何度か禁煙してみたことはあったが、1日我慢出来たら頑張ったっていうくらい意思が弱かった。でも今回はスタート地点で既に最大の難関「吸いたい気持ち」がないので楽勝だと思っていた。
甘かった。別に体はタバコを欲しがってないのに、それでもタバコ吸ってる人を見ると自分も吸いたくなる。
そもそも今までタバコ辞めようなんて思ったことがなかった。金がかかるのも、健康を損ねるのも、煙たがられるのも承知でタバコを吸っていた。タバコが好きだった。
今までの禁煙も嫌煙家の父が俺に禁煙させようとしたからしたまでだった。そう考えると今まで自分から禁煙しようとしたことがない。今回の禁煙も、医者に止められたしそもそも病院だから吸えないから、吸えない状態が長く続いてるだけで、それを一言で表すなら禁煙という言葉が近しいだけだ。
だから、今でも飲食店やら街中の喫煙所、コンビニの前でタバコ吸ってる人を見たり、煙が風に乗って自分の方へとやってきて匂いを嗅いだりするとめちゃくちゃタバコが吸いたくなる。
なので、1年が経った今でも禁煙中と言っている。タバコをやめた、ではなく、タバコをやめていると言うようにしている。
タバコをやめている、やめたの境界線は時間ではなくて、気持ちの問題なのかもしれない。1ヶ月辞めようが、1年辞めようが、10年辞めようが吸いたい気持ちがあるうちは禁煙中だ。タバコをやめている状態だ。
いつになったらタバコをやめたと言えるようになるのだろう。吸いたいのを我慢するのは、つまり欲望を押しつけて制御することであり、ストレスだ。このストレスを抱えながらこれからまだ何年何十年と生きなければならないのかなと考えると、それがまたストレスだ。
こんな小さなストレスを抱えたときこそ、まさにタバコの出番なのになあ。そう思うと吸いたくなるな。でも我慢しなきゃだしな。辞めたくなくても、本来1日禁煙出来るかどうかの俺がここまで続いてるのに、今更吸うのは勿体ない。でもストレスに感じることはたしかだ。なにこれ負の連鎖じゃん。
タバコは百害あって一利なしなんて言うけど、その通りだな。金かかる、健康損ねる、印象悪い、匂いが気になる、の四害くらいしかないと思ってたけど、本当に百害くらいあるのかもしれない。いや、嫌煙の波が高まるこの時代、もう百なんかじゃ足りないことも有り得るな。
早めにタバコを辞めといたほうが良さそうだな。俺はそう思う。今絶賛喫煙している方も、この機会に是非一考してみればどうだろうか。