忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

これ以上深まらない親密度を深めるコツ、それは一度離れてみること

 

    今日は昔のバイトの先輩達と会って、ご飯を食べてきた。多分2年ぶりとかそれくらいに会った。2人ともバイトの頃から好きだった先輩だけど、さすがに2年ぶりに会うのは緊張した。

    こういう時、俺は緊張してるようには見えないけど沈黙が怖くてやたらといつも以上に話をしてしまう。最後にはもう自分でも何を言ってるかわからなくなってる。

    昔読んだ石左さんのブログで「沈黙恐怖症」というのがあったんだけど、本当にアタマからケツまで共感しかなかった。これに書いてあることは石左さんのことだけれど、俺もトイレと鏡台が怖いことを除いてここに書いてあること全て一致してるので、是非読んでみてください。

沈黙恐怖症 – 夏目新舎

 

    それで今日もある程度思い出話とか近況の話も済んで、話題と話題の間が長くなるにつれ俺の恐怖や焦りも膨れ上がり、だんだんと自分でも何を話しているかわからなくなっていったような気がする。もしかしたら軽く嘘とかもついていたかもしれない。間を繋ぐために。覚えてないけど。覚えてないというか覚えてたくないから無理やり忘れたのかもしれないけれど。

 

    バイトしていた当時、俺は猫を被ってた。本当は暗くて自分に自信がない人間なのに、真逆の人間を演じてた。たまたま明るい人達が集まったバイトだった。俺は、その中に一人暗い奴がいるとみんなに気を遣わせたりみんなのテンションを下げてしまうのではないかと思った。だから精一杯真逆の人間を演じた。幸い、人間はいろんな顔を持つという特徴があるので、特に苦もなくその役を演じきれた。そうしてそのバイトでの俺の顔は、俗っぽい言葉を使って言うならば陽キャとして認識されるようになった。

 

    人にまだ見せてない自分の顔、新たな一面を見せるのは怖い。だってもし自分の新たな一面を見たその人が、それを気に入ってくれなかったら。もっと言うなら嫌われてしまったら。そう考えてしまうので、人に見せていない一面っていうのは大抵世間一般に欠点とされるものだったり、自分でも好きになれない自分だったりする。ギャンブル依存症、酒乱、ケチ、短気、無神経、傲慢。いろいろあるだろう。人それぞれに。そしてあなたはあなたの欠点や好きになれない自分を人にさらけ出すことができますか?

    俺は怖いよ、やっぱり。メルヘンチックな話じゃないけど、生まれた場所やら時代が一致して莫大な人間の中から巡り会えた人なんだから、出来れば嫌われたくない。なので中々自分の欠点や好きになれない自分を人に見せることは難しい。それに至れるまでに、かなりの関係を築かなければならない。きっと嫌われないだろうという自信を培わなければならない。

    俺の好きになれない自分は、暗かったり考えすぎてしまったり自信がなかったりする自分なんだ。冒頭で沈黙が怖くて変に喋りすぎてしまったことは覚えてたくないから忘れたなんて言ったけれど、でも今日1つだけその間に自分が言っていたことで覚えてることがあって。それは本当の自分とか明るい人間は演じてたっていうカミングアウト。

    2人のことはバイトしていた時から好きだった。でも言ってしまえばバイト先の先輩後輩という間柄だけというわけで。バイトしていた当時に自分が猫を被ってるというカミングアウトはきっとできてなかったと思う。じゃあ何故今は出来たのか。それが例え、沈黙を防ぐために出た咄嗟のものであったとしても。別に、外国人の彼氏がいる女ってデフォルトでドヤ顔ですよね、なんて言ってもよかったのに。なんで言えたのだろう。

 

    それは逆に2年ぶりに会うからなのかもしれない。バイト時代、2人に今日みたくカミングアウトしてもし嫌われてしまえば、嫌われてからもバイトで毎日顔を合わすことになるわけなのだから、そんなの相手も不快だし俺も辛い。みんなが損しかしない。だから言えなかったのかもしれない。

    でも2年ぶりに先輩の方から連絡が来て。それは俺にとって、所詮バイト先の先輩後輩程度の関係って思われてるんだろうなって考えの否定になるわけで。バイトという繋がりがなくなった今でも会ってくれるということは、もうそれ以上の関係で、そしてその中でも俺の存在を大事に思っていてくれるのかもしれない。だとするなら、条件は揃った。自分の欠点等を晒せるほどの関係性も築けた。嫌われないだろうという自信も持てた。

    そういうロジックで俺は今日カミングアウトをしていたのかもしれない。今日の事をもって、俺は疑問に思った。人と関係性を深めるにはある程度まで到達すると、そこからはもうどれだけ一緒に過ごそうがそれ以上深められないのかもしれない。さらに深めるためには一度離れることも大切なのかもしれない。そう思いました。みんなはどう思いますか?

 

    あ、あと最後に一つだけ。人はそう簡単に人を嫌いになったりしない。今日だって先輩2人は本当の俺を見て、幸せになって欲しいなんて言ってくれたし。いや別に俺幸せなんだけどね。嫌いな自分を嫌わずにいてくれて、尚且つ幸せまで願ってくれる人が周りにいるんだから。こんな幸せなことねえよ。だから怖がることなんてなくていい。あなたの欠点がなにかは知らないけれど、思いきって見せびらかしてみよう。もしそれで嫌われた時の責任はとれないけどね。それでは。