忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

No more 逆張り

 

    人の書いたブログ、それも本当に文章が上手なブログ、つまるところ書いた人に会ったこともなければ見たこともないのに、その人の人となりとか感性が伝わってくるようなそんな文章を読むと、自分もそんな文章が書きたいと思ってしまって気がつけば文章を書き出してしまっている。こんな風に。

    しかし書きたいこともなければ、特に書くほどのこともない。そういう時にこのサイトは便利で(恐らくこのサイトに関わらず他のブログサイトにも同じような機能があることは容易に想定できるが)、今週のお題なんて風にテーマをくれる。たまにとは言え数年ほど文章を書くことを続けていれば、お題さえ貰えばそこから誰かがカップラーメンにお湯を入れてから出来上がるまでの3分ほどの暇を潰すくらいの文章を書くくらいは可能なわけで。書き手というものは、どんな形であれ自分が書いたものを読んでもらうのが嬉しい。だから、それくらいの気持ちでも読んでもらえればいいやという構えで今週のお題を見た。

 

今週のお題「最近見た映画」

 

    非常に困った。困ったと言うのは、このお題が書きにくいテーマだからと言うわけではなくて、むしろ書きやすいテーマなくらいなんだけれど、困ったのは俺がこれに関して書きたくないからだ。まあ、書かなければどうしようもないので書くのだけれど。だから俺がこのお題について書きたくない理由でも書こうと思う。

 

    1番最後に見た映画は鬼滅の刃だった。「劇場版鬼滅の刃無限列車編」。  恐らくほとんどの人が知っている映画だろう。とんでもない売れ行きだっていうことでニュースでよく取り上げられてるし。これまで最短で興行収入100億を突破した「千と千尋の神隠し」でさえ公開から25日かかったらしい。それを鬼滅の刃は僅か10日。なんなら公開から24日目には200億を突破するのではなんていう見通しまであるそう。それってつまり、それほどまでに鬼滅の刃が人気のコンテンツということじゃないですか。

 

    俺は自分でも意識してない内にいつからか「人と同じは嫌だ!」みたいな人間性に育ってしまった。多分、高校の頃にハマった音楽を周りの友人に勧めても「これの何がいいのかわからん」みたいなことを言われてしまい、ただ変に自分のセンスだけには自信を持っていたので、「みんなが理解できないくらいまでに俺のセンスは良くなりすぎてしまったんだ」みたいな錯覚を起こしてしまったからだと思う。あの時、みんなが俺に変に気を遣って「ああ、よくわからないけどいい感じだね」くらい言ってくれてればこうなってない未来もあったのだろうか。

 

    ただこういう俺みたいな一定数存在する「みんなと逆張り!」みたいな人間って、みんなが支持してる人気のコンテンツも少し気になっているわけで。自分の好みを優先した結果ではあるが、普段から人と逆に動いてしまうせいで、今更みんなが支持してるものに手を出すのもダサいみたいに思ってしまっている。だから言い訳じゃないけど、俺は自分から鬼滅の刃に手を出してないことだけ弁明さしてほしい。

 

    人とは違うを突き詰めた結果髪の毛がピンク色になってしまっていた俺の前にある日全く同じ髪色の女の子が現れた。仲間かもしれない。直感的にそう思った。専門家が言ってたけれど、動物は仲間を見た目とか臭いで認識するらしい。見た目は同じ髪色という点でもちろんのこと、臭いという意味でも、同じような性格とか見た目とかの人間2人を指して「あの二人からは同じ臭いがする」って表現するこの国では、俺が仲間だと思ってしまったのにも頷ける。どうやら専門家ってちゃんと信用していいらしい。

    そこからその子と俺が仲良くなるまでに長い時間は要さなかったわけで。そしてその子がある日、鬼滅の刃見に行こうと誘ってくれた。気にはなりつつも自分から見に行くのはダサいと思っていた俺が1番待ち望んでいた言葉だった。でもあえてクールに「まあ、じゃあ行くか。」くらいの態度をとって、そしてそういうことで俺は鬼滅の刃を見に行くまでに至ったのです。

 

    書いてて思ったけどめちゃくちゃダサいな俺。何が「みんなが理解できないくらいまでに俺のセンスは良くなりすぎてしまったんだ」だ。気になるなら素直に気になるって言えばいいのに。こんなのはあれだ、小学校高学年の男子だ。気になってる女の子に素直になれないから悪口とか言って関わりを持とうとするやつ。ああいうのって大体その子から嫌われちゃうんだよな。まあ、何もしてないのに悪口とか言ってくるやつのこと好きにならないよな。全国の小学校高学年男子、素直になった方がいいぞ。逆の態度は当然ながら裏目に出るぞ。待って。じゃあ俺も多分嫌われてるかもしれないな、みんなに。

 

    この国の言葉では、俺みたいな人間のことを天邪鬼と言うらしい。天邪鬼。あれ、俺も鬼?鬼殺隊とか来るのかな。怖。帰ろ。