忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

何が良くて何が悪いか本当にわからなくなってきた

 

    「嫌われることよりも、無関心であられるほうが嫌だ。」

 

    他人からの評価について談議する時、しばしばこのようなことを言う人が見られる。

    そのような人達が言うには、嫌いであられるということは何かしら意識がこちら側に向いている訳で、意識がある以上何かをきっかけに好きになってもらうことは可能であるが、無関心という何も意識されていない状態であると一切好意を抱いてくれることがないからだということらしい。

    なるほど、それはたしかにそうだ。それを聞くとたしかに嫌われることよりも無関心であられる方が嫌だという意見にも頷ける。

 

    ただ、俺はそれを聞いた上でもやはり嫌われることのほうが嫌だと思ってしまう。それは恐らく、俺が人から好かれたい気持ちが強すぎるからだ。

    誰だろうと、好き好んで嫌われたがる人はきっといない。誰しもが好かれることを望むはずだ。今テーマにしているのは、好かれることが最も望ましいのは前提で嫌われるか無関心でいられるかのどちらが嫌かという話だ。

 

    俺がどれほどに人から好かれたい気持ちが強いかの話をしよう。前述通り、俺は本当に人に好かれたい気持ちが強すぎて、故に嫌われることを無関心であられることより怖いと思ってしまう。嫌いな人でも自分のことは好きでいてほしいと本気で考えている。

    誰かが俺が不幸に陥る様を見て幸せになれるとするなら、俺は望んで自ら不幸へと身を落とすだろう。それほどに人に好かれたい気持ちが強いと言うか、献身的と言うか、他人優先主義なんだ。自分のことに興味が微塵も無いし。

    自己肯定感が低いのもあるが、俺ごときのやることなすこと、或いは存在自体で誰かが喜んだり幸せになれるならば、それが何よりも俺の幸せになる。自分が誰かに幸福を与えれることがそれ即ち俺の幸福にも直結する。

   

    だから、俺は普段人から好まれるようにだけにフォーカスを絞って生きている。人に好まれるためには、利害関係のような話にはなるが、相手にとって利益のある人間にならなければならない。そして他者に利益のある人間と認識してもらうには、相手を観察することが最も重要だと俺は考える。相手がどういう人で、何がその人にとって利益に成り得るか把握することで、その基準で自らの身の振り方に決定を下せる。するとその人にとって利益的な人間を演じれるわけだ。

    そんな風に生きているからか、一人一人に対して微妙に自分の身の振り方を変えている。もっと言えば、複数人で同じ時間を過ごすときにはその集団を構成するメンツの組み合わせによっても多少身の振り方を変えている。

 

    あまり自分自身に対する評価を自ら下すことはこの国では古くからタブーというか暗黙の了解みたいになっているところがあるけれど、それでもあえて言うなら俺は割と他人から好かれている方だと思う。

    まあ、人に好かれることだけを考えて生きているくらいなんだから多少はそうであってくれなければ困るのだけれども。   

 

   ただ、最近ずっと引っかかっていることがある。人に好かれたくて、相手にとって利益的な人間を演じることで得る好感に果たして意味はあるのだろうか。もし相手が俺がわざと好かれたいがためにその人にとっていい人間を演じていると知った時、それまで俺に向けてくれていた好感は変わらず残るのだろうか。そうではない気がする。

 

    それに、俺は自分のことよりも周りにいるみんなのことが心底大好きだし愛している。その人たちに自分が好かれたいが為だけに本来の自分と違う人格を演じるのは、それがいくら相手にとって利益的な人格で幸福を与えているとしても結局は自分のエゴに人を付き合わせているだけではないのか。相手の目線だけで見れば自分に合わせてくれるし利益のあるいい人と見られて良いように聞こえるが、俺の目線で見れば相手のことを第一に動くという点ではそれもまた聞こえがいいが、結局のところ自らのエゴだけを追求してるという点で悪に近いように思う。

 

    一体何がいいことでで何が悪いことなんだろうか。俺のこの生き方は他人優先主義で他人に幸福を与えているから良いもの?でもその生き方には究極的な自らのエゴの追求が内在しているから悪いもの?もうわからない。定義をハッキリしてくれ。その方がきっと楽になれる。悪いものと言われれば改善すればいいだけなのだから。一生答えが出ないままが最も苦しい。頼む、誰でもいいからその辺の定義を確立してくれ。俺には答えが出せそうにない。何卒。

 

    それでは。