忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

ドラマのキスシーンが怖い

 

 

    たいていどんなドラマにもキスシーンがある。それを見てる俺は、無意識に今までの印象的なキスが脳裏によぎる。舌が根元からとれんじゃねえかってくらい吸われたキス、年下の女にいきなり頭掴まれてウイスキー口移しされたキス。ろくでもない思い出ばかりがよぎる。キスなんていいもんじゃねえわ。でもドラマでは、キスはドラマチックに描かれていてそれを見てると少し羨んでいる自分がいる。いいなあ。

 

    ちょっと誰かキスしませんか?

 

    ただ、羨んでいる自分は少しであって、多くの自分はキスシーンを恐れている。ドラマってやっぱりフィクションだから、現実では起こり得ない演出がある。作品の世界観に没頭してるこちら側としては、そういうシーンに違和感を覚えた瞬間に現実世界に強制送還。あれ、吉岡里帆は?菅田将暉は?どこ?あ、そっか…。元からいないな…。 在るのは虚無感のみ。こうなるのが怖い。

 

    喧嘩して若干ヒステリック入ってきた彼女の唇を強引に奪い、女はもちろん嫌がるが次第に大人しくなって、彼を受け入れてのディープキス。  

 

    は?

 

    見つめ合ってお互い何も言わぬまま静かに唇を重ねたあと、見つめ合って先程とは打って変わって貪り合うような熱いキス。  

 

    は?

 

    病で亡くなった彼女にお別れのキス。

 

    は?

 

    いちいち「は?」ってなるんだよ。これって俺だけなの?みんなは「うわ~わかる~」とか「こんなキスされたい~(したい~)」って思って見てんの?…え、そうなの?マジ?だとしたら俺とお前らの差はなに?キスの経験値?……え、そうなの?マジ?

 

    誰かキスしませんか?