忘れないように

単に記憶力が著しく悪いのか、それとも他に何か原因があるかわからないけれど、年々忘れてしまうことが増えています。その時を生きていた俺が死んでいるような、もう二度と手に入らないものがこぼれ落ちていってるような、そんな気がしてもうこれ以上失いたくないので、日々を書き留めたい気持ちがこのブログです。

音楽は(中略)魔法だ!

 

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数ヶ月前の話になんだけど、大森靖子(以下靖子ちゃん)のライブに行ってきた。

その日、いや開演前の物販に並んでる時だ。ちょっと気が滅入るようなことが起きた。でもまあ初めての靖子ちゃんのライブだしそんなことすら忘れるくらい楽しめるだろう、なんて思ってたけど実際は違った。気が滅入るような出来事すらも最高の思い出にしてくれた。言葉の限界だった。

 

それくらい俺が好きな靖子ちゃんの曲に「音楽を捨てよ、そして音楽へ」という曲がある。特に印象的な「音楽は魔法ではない」のフレーズと、最後はリスナーに「音楽は魔法ではない でも音楽は」と問いかけるような形で終わる歌詞からファン界隈で「では音楽とはなんなのか」といった議論が行われている。

 

「音楽を捨てよ、そして音楽へ」で検索すると、たくさんのブロガーが個人的解釈を書いてて、人それぞれ受け取り方があってこれがなかなか面白い。

「音楽は魔法ではない でも音楽は」ってことはつまり「音楽は魔法ではないけど○○である」という捉え方が出来る。じゃあ○○ってなんなのか。その○○をたくさんのブロガー達が自分なりの○○を書いてくれている。

 

でも俺は音楽は(中略)魔法だと思う。

ただ靖子ちゃんのメッセージを否定しているわけではない。そこのところ少し弁明させていただこうと思う。

 

高校二年の頃、半年ほどイギリスにいた。語学留学が目的の滞在だった。とにかくやる気に溢れていて、日本語を排除した半年間を過ごそうと携帯も日本に置いて行き、好きな邦楽も半年間だけは聴かずに過ごそうとした。しかし無理は禁物ですぐにホームシックになった。それに日本語を排除してるにも関わらず特に成果が現れなかった。もういいやって気になって、それからは勉強もほったらかしてYoutubeを見まくった。それまでは親の影響でコブクロばっかりを聴いていた俺だったが、これをきっかけに様々な音楽と出会った。

 

最初にハマったのは、水曜日のカンパネラマリー・アントワネットという曲。Youtubeが「Recommended for you」なんて言ってくるしサムネの女の子(コムアイ)が可愛かったもんだからとりあえず聴いてみた。変わった曲だなぐらいにしか思わなかった。

しかし次の日、学校へ向かう途中ふと頭の中であのメロディを再生していた。家に帰るとすぐさま閲覧履歴からもう一度再生し、そこからは関連から他の曲にも手をだしハマっていった。

そして今度は水曜日のカンパネラが好きなことから、サオリさんという大学生の方に相対性理論を勧められハマる。すると次はサオリさんの友人にチャットモンチー好きな人がいて、それで興味を持ちチャットモンチーにハマる。イギリスの地で今まで知らなかった日本の音楽にたくさん出会い、さらに音楽が好きになった。

 

そんな具合にろくに勉強もせず、音楽ばかりを聴いて過ごしていた。しかしある時から突然英語力がグンと伸びて、これを機に勉強に熱が入り音楽は聴かなくなった。

日本に帰国してきた時には高校三年生。既に受験を意識し始める頃。英語と国語は出来たが、それ以外はからっきしの俺は何度も落ちて、なんとか合格して受験を終えたのは卒業の数日前だった。一気に緊張の糸が解けて、当分勉強したくないと心から思った。とりあえず、疲れに疲れた自分を休めたくて、そんな時はやはり音楽を聴くことに尽きる。一年ぶりほどの音楽を、今、聴く。

 

シャッフル機能を使い、最初に再生されたのが水曜日のカンパネラの「マリー・アントワネット」。イギリスで一番最初に出会った曲で恐らく一番聴き込んだ曲。

 

イントロが再生された瞬間だった。

 

日本の、自分の部屋で再生したはずなのに、一瞬イギリスのホームステイ先のあの部屋に戻った。あの部屋の匂い、窓から入ってくる冷たい空気。

びっくりして、じゃあ学校に行く途中よく聴いてたあの曲を再生したら、と再生すると一瞬ではあるがあの川沿いのレンガ路に行けた。

 

魔法だ、と思った。

 

少なくとも俺は音楽が世界を平和にするほどの力を持ってるとは思ってないし、戦争を止めることもできないと思う。ただ誰か一人のそれまで忘れていた思い出を蘇らせたり、生活を彩ったりすることはあると思う。

 

それって十分魔法なんじゃないだろうか?

 

長々と書いてきてしまったので最後に記事のタイトルの中略部分を明らかにして終わろう。

 

音楽はみんなが使える魔法ではないが誰か一人にとっては確かに魔法だ!

 

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