マジでヤな奴、ハルカ/ハルカトミユキ
あなたの周りに、嫌な言い方させたら右に出るものはいないやつ、いたらちょっと思い浮かべてくれませんか?
思い浮かべました?
非常に申し訳ないんですけど、あなたが思い浮かべた嫌な言い方するやつ、この女の足下にも及びません。
誰だよって?ハルカじゃん。ハルカトミユキの。もしかしてご存じない?一応メジャーデビューもしてるアーティストなんだぜ?ハルカトミユキ。
ハルカが主に作詞してるんだけど、よくもまあそんな嫌な言い方できるなって思わされる。特に、「絶望ごっこ」っていう曲がもうエグいのなんのって。
アタマからケツまで言葉が尖りちらかしてるんだけど、特にAメロの詩がやばい。
どこかで聞いたような
美しく薄っぺらい言葉並べて
陶酔してる 気持ちいいだろう
この曲、東北大震災の頃に書かれていて、当然そのことについて歌ってるんだけど、普通ならエールを贈るような曲かなって思うところを、まさか風刺してくるのがこの女、ハルカ。もといヤなやつ。
この曲の作詞について、BASEMENT-TIMESのインタビュー記事で掲載されているので一部抜粋。(全文は記事の下部にリンクを貼っておきます)
アレ、元々は東北の地震の時に書いたんですけど、そん時もすごくムカついてて、東京にいる奴らが安全圏からなんか「大丈夫、大丈夫!団結!」みたいな。
岩手にいるならわかるよ。ミュージシャンとかなんか急にチャリティソング歌い始めるし。そっから突然チャリティおじさんみたいになる人とかいっぱいいたし。いや、人の勝手だし偽善も善に違いないので良いんですけど。いやなんか、チャリティも復興支援もそれを今後継続的にやるならわかりますよ。
でもあのときだけの人もいたから。
しかも、それがうれしそうだったんですよそれが。「今、音楽で、俺らの出番だ」みたいな
喜んでんじゃんって。地震起きて。なにそれって思って。それが凄い腹立ったし。
たしかにそういう風潮は言われてみればあったように思う。俺も相当捻くれた人間だけど、当時はまだ中学生のガキだったからそんなこと思いもしなかったし、「東北にエールを!」みたいな雰囲気にのまれてたから、俺もここで言う「絶望ごっこ」してたかもしれない。今の歳であの頃にいたならきっとそういう風に思ってたと思う。
だから、俺はハルカトミユキに魅かれて好きになったんだと思うけど、そんな俺でも地震起きて喜んでるじゃんなんて歪んだ捉え方はさすがにしない。つーか出来ない。別に、間違ったことは言ってなくて、ただ「そういうやつらに腹が立つ」ってことを言ってるだけなんだけど、それを「絶望ごっこ」なんて皮肉して、「気持ちいいだろう」なんて煽るところがもう絶望的にヤなやつ。
ただ、「偽善も善に違いないからいいんだけど、人の勝手だし。」って言ってるから、本当にヤなやつじゃなくて言い方がヤなやつってだけで、俺はハルカのそういうところが好きなんだけど。
インタビューで答えてるんだけど、ハルカは「自分が言いたいことを言う」ってだけで音楽やってるから、「絶望ごっこ」みたいに主張が強い曲が多い。こういうのって、やっぱり人によっては反感買うし、細かく言えばたとえどんなにピースフルな内容でもきっとどこかでは反感買うことになるんだけど、「絶望ごっこ」みたいな特にヘイトを集めそうなものを、影響力ある立場で歌えちゃうのがすごい。かっこ良すぎんぜ、ハルカ姉さん。
俺なんか、影響力もないのに人から反感買うのが怖くて、いざという時の逃げ道の言葉たくさん並べるから、だらけた文章になることがよくあるんだけど、俺も本当は言いたいことをズバッと言いてえ…言いてえよ...。
一曲をピックアップして、好きなアーティストを紹介してみたんだけど、いかがだったでしょうか?知れば知る程、カッコ良くて、綺麗で、なのに悲しそうだったり、魅力が詰まったアーティストです。是非好きになってみてください。ハルカばっかの紹介になってごめんね、ミユキさん。